どうも.運営メンバーの @tomoyat1 です.
3/9 (土) にCAMPHOR-メンバーによるトークイベント「CAMPHOR- DAY 2019」を開催しまいた.今回はその様子をお伝えしたいと思います.
イベントページはこちらとなります.
CAMPHOR- DAYについて
CAMPHOR- DAYは昨年から開催している,CAMPHOR-の学生のによるトークセッションおよびLT会です.スピーカーの日頃の取り組みや持っている技術,経験などを共有する場となっています.
今年はトークセッションが5本,LTが6本,合計10名のスピーカーによるトークが行なわれました.また,全トーク終了後に懇親会を開催し参加者間の交流を深めました.
それでは,当日の様子をお伝えしていきたいと思います.
トークセッション
30分のトークセッションが5本行なわれました.以下,その概要をご紹介したいと思います.
トーク1: 「畳み込みニューラルネットワークの判断根拠の可視化手法」
最初は@shiba6vによる,畳み込みニューラルネットワーク (以下,CNN) とその可視化に関するセッションでした.CNNの判断根拠がブラックボックスになることがあるという問題を挙げたあと,その解決方法として判断の際にCNNが画像のどの部分を重視しているかを可視化する方法の一つであるClass Activation Mappingが紹介されました.ニューラルネットワークにあまり触れたことがない人でもわかりやすいように前提知識を補いながらのトークで,ニューラルネットワーク初心者でも手法をなんとなく理解できる仕上がりでした.
発表資料はこちらです.
トーク2: 「健康で実りある大学院生活の手引き」
@yu-i9 による,大学院生活を有意義に過ごす,自身の経験から分かったコツを紹介するセッションでした.大学院進学のメリットをを紹介した後,研究室の良い選び方,研究テーマの決め方,研究の進め方と盛りだくさんの内容でした.特に,研究室に入った後は一人で物事を進めようとせず指導教員と共同して研究を進めるべきというコツが印象に残りました.会場は大学院進学予定の学生,これから進路を進路を決める学生が大多数を占めており,これから役立つ数多くのtipsが盛り込まれたトークでした.
トーク3: 「Python処理系入門 〜"1 + 1" で学ぶ処理系解読の基礎〜」
こちらも@yu-i9によるもので,Pythonの実装の一つであるCPythonの仕組みとコードリーディング,そして 1 + 1
の結果が 3
となるよう実装を変更するライブコーディングからなるセッションでした.仮想スタックマシンによるPythonコードの実行,Pythonの値のインタプリタ内部での表現など,必要な知識が簡潔に紹介されたあと,CPythonの実装を追って改変箇所を特定し,その場で必要な書き換えをすることで 1 + 1
が本当に 3
となるよう挙動が改変されました.普段はブラックボックスとして扱われがちなプログラミング言語の処理系の中身が垣間見え,参加者によっては処理系自体をプログラムとして見るきっかけを与えるセッションでした.
トーク4: 「WebGLで魚の骨を3D空間に表示する」
@marty1martie による,魚の椎骨の3Dモデルを表示するWebアプリケーションを作成・公開した際の話をまとめたセッションでした.魚の骨はおもしろい構造をしていて一般に広めたいが難しい論文は読まれないという問題を出発点とし,インタラクティブなUIを通して手軽に構造を知ることができるものを作ろうという構想でした.中核部分はWebGLとJavaScriptで実装されており,WebGLを使ったアプリケーションのアーキテクチャやそれぞれの構成要素で扱われる概念が紹介されました.また,スピーカーにとってWebGLに触れるのが初めてのなか,CAMPHOR-のメンバーにいろいろ教えてもらいながら,着想から学習,実装,公開までを1ヶ月ほどでしたそうです.
発表資料はこちらです.
トーク5: 「入門 シェル」
@genya0407 による,UNIXのシェルの仕組みや実装を紹介するセッションでした.コマンド呼び出しとパイプによるコマンド間の連携が使える簡易なシェルの自作を通して,それを支えるOSカーネルに含まれる構造やシェルを実現するためのそれらの構造の組み合わせ方が紹介されました.また,実装中にしてしまった間違った実装やなぜそれでは正しい挙動が得られないかも紹介されました.車輪の再発明は一般に否定されるが,学習目的で行うのは非常に効果的であり,推奨されるものであるという締めくくりでした.
発表資料はこちらです.
LT
LT会も行いました.トーク・質疑応答含めて持ち時間10分の発表でした.各LTとその発表資料へのリンクを以下にまとめます.
- 「最強の加湿器をつくりました」 (資料)
@sartr - 「OverlayFS を使って Raspberry Pi を Network Bootする」 (資料)
@km_conner - 「自動運転の簡単なおさらい by 初心者」 (資料)
sabrinazuraimi - 「テストを書いたほうが良いところ書かなくても良ところ」 (資料)
@plus_kyoto - 「KubernetesとDeclarative Configuration」 (資料)
@tomoyat1 - 「褒めたもんをでぃーぷらーにんぐしてみた話」
@yosyuaomenww
懇親会
トークの終了後,参加者で懇親会をしました.各発表に関して質疑応答では質問しきれなかったことに関してやより発展的な議論,あるいはトーク内容とは直接関係のない話題など,多岐にわたり盛り上がりました.
なお,今回の懇親会はHappy Elements株式会社様にフードスポンサーとしてご協賛いただき開催しました.この場を借りて御礼申し上げたいと思います.
おわりに
今年のCAMPHOR- DAYもメンバーの日々の取り組みを知ることができ,それらに関する話を通して交流を深めることができる有意義にな時間となりました.運営としては来年以降も開催していきたいと考えています.
また,スピーカーの皆さんは普段からCAMPHOR-のメンバーとして各々の活動をしています.こういった人たちが集まるコミュニティーに興味がある,一度話してみたい,という方は,ぜひCAMPHOR- HOUSEの開館日に一度お越し下さい.